貴金属へのコモディティ投資をするならどの商品か

貴金属へのコモディティ投資をするならどの商品か

分散投資やインフレ対策のひとつとして、コモディティへの投資が挙げられています。その中でも代表的なのが貴金属(金・銀・プラチナ)だと思います。

自分もポートフォリオにコモディティを含めようと考えています。コモディティ投資を始めるにあたり、そもそもコモディティとは何なのか、どんな種類があるのか、何を買えば良いのかを調べてみました。

結論

リスクを抑えることを目的にコモディティ投資はあり。

投資対象は、金はGLDMか1326、銀はSLV、プラチナは1541か購入しない

コモディティとは

コモディティとは”商品”のことで、生産者に関係なく市場での価値が同等程度であるものです。

具体的には、貴金属(金、銀、白金など)、農作物(大豆、トウモロコシなど)、エネルギー(原油など)やゴムなどです。こういった商品に対する投資をコモディティ投資と呼びます。

ちなみに、”商品がコモディティ化する”という言葉を聞いたことがありませんか?これは、どこの企業が商品を作ったとしても、同じ程度の機能(価値)しか生まれなくなったときに使われる言葉です。コモディティ化した商品は金額でしか差別化ができなくなるということですね。通じる考え方がありますよね。

コモディティ投資のメリット・デメリット

調べた中で、自分が感じるコモディティ投資のメリットとデメリットをまとめてみます。

メリット

メリットは下記の3点です。

  • 分散投資になる
  • 価値がなくならない
  • インフレに強い

まず分散投資についてですが、コモディティと株式では価格の変動要因が多少は異なると言われています。例えばコモディティでは、農作物は天候によって生産量が左右されますし、貴金属も需要と供給によって在庫量などが変化して価格が変動します。株式(株価)の変動要因は様々ですが、その企業の業績などで変動します。価格の変動要因が異なることがあるということは、相関が小さいということなので、分散投資につながるということです。

二つ目の価値についてです。株式の価値はその株を発行している企業に依存するため、企業の倒産など最悪の場合は無価値になる可能性があります。一方で、金などは現物なので、存在がなくならない限り価値は無くなりません。電子機器には金属が必要ですし、価値がなくなるとは考えにくいですよね。

最後にインフレに関してですが、コモディティは現物資産なので、物価が上昇した場合それに伴って価格も上昇します。コモディティに投資しておくことで、インフレ対策になるということですね。ただ、これは株式についてもある程度いえるかもしれません。

自分は特に分散投資になるというメリットが大きいと考えています。株式だけに投資をしていると、株価が暴落してしまうと自分の資産は大きく減ってしまいます。株価が暴落したとしてもコモディティの価格も暴落するとは限らないため、コモディティ投資によってリスクを小さくできるというのが良いと考えています。

デメリット

コモディティ投資のデメリットと感じたのは下記の2点です

  • インカムゲインがない
  • 手数料が高い

インカムゲインですが、コモディティ(例えば金)が利益を生み出すわけではないので、株式の配当や債券の利息などがありません。つまり、その商品の価格自体が上がらなければ利益はでません。儲かるためにはキャピタルゲインを狙うしかないということです。

手数料は選ぶ商品によりますが、平均的に株式に投資するよりは手数料が高くなりがちです。

個人的にはインカムゲインがなくて、手数料が高いというのはかなりのデメリットだと感じています。ポートフォリオに含めるとしても、そこまで大きな割合ではないかなという印象です。10-20%程度でしょうか?ここはさらなる検討が必要です。

金・銀・プラチナとそれに投資できるETF

コモディティの中でも特に有名な貴金属について、金・銀・プラチナについてまとめてみます。

金・銀・プラチナに投資できるETFはいくつかあります。今回は、ある程度有名で、日本の証券会社(sbi証券と楽天証券)で買えるETFのみを対象にしています。(2020年1月21日調べ)

※ 純資産は大体の数値です。

名称通貨証券会社信託報酬上場日純資産
GLD米ドルsbi・楽天0.40%2004/11/1869,243百万米
GLDM米ドルsbi・楽天0.18%2018/06/264,000百万米
IAU米ドルsbi・楽天0.25%2005/01/2131,537百万米
1326日本円sbi・楽天0.40%2008/06/3071,833億円
1540日本円sbi・楽天0.49%2010/07/021,322億円

日本から投資できる主な金のETFは上記でしょうか。1326はGLDの日本版という認識です。純資産でいうと、上場期間が長いことも関係しそうですが、GLDが圧倒的に多いです。次にIAUですね。

GLDとGLDMは同じ運用会社が管理しており、GLDMはGLDの経費率を下げた商品として2018年に上場しました。長期投資の場合は信託報酬が大きく影響してくるので、単純に考えるとGLDMが良さそうです。ただ、GLDとGLDMでは運用実績・純資産額も異なるので、絶対GLDMが良いという訳でもないそうです。

この記事を書くにあたって調べている中で、自分だったらGLDMに積み立てをしていこうかなと思いました。ちなみに、GLDMは楽天証券だと買付手数料が無料で買うことができます。

名称通貨証券会社信託報酬上場日純資産
SLV米ドルsbi・楽天0.50%2006/04/2114,522百万米
1542日本円sbi・楽天0.59%2010/07/0262億円
1673日本円sbi・楽天0.49%2009/08/241,665億円

ドルで銀を買うとしたら、SLVが一番有名だと思います。日本円だと1542と1673が選択肢にはいると思います。

1542と1673では信託報酬が低いのは1673です。なので、1673の方が長期投資には向いていると一見思いますが、実は出来高では圧倒的に1542が多いです(出来高は調べてみてください)。つまり、1542の方が活発に取引されていて流動性が高く売買がしやすいということです。取引のスタイルに応じて選べばよいと思いました。

個人的に、銀への投資はSLVが良いと感じました。純資産が多い・信託報酬が低い・実は出来高も大きいという点から、日本の商品よりSLVの方が優れていると思います。米ドルにはなってしまいますが、これも通貨分散という観点から良いかもしれません。

白金(プラチナ)

名称通貨証券会社信託報酬上場日純資産
1541日本円sbi・楽天0.59%2010/07/0211億円
1674日本円sbi・楽天0.49%2009/08/24457億円
1682日本円sbi・楽天0.45%2010/02/154億円

上の表にはありませんが、出来高は1541が圧倒的に多いです(調べてみてください)。また、PPLTという有名なETFがありますが、おそらく日本からは買えません。

どういう運用をするか次第ですが、出来高が多くて流動性が高いことを考えると1541への投資がありかなと個人的には思います。ただ、あまり魅力的な選択肢がないので、プラチナへの投資自体をやめても良いかなと思いました。

おまけ(バスケットETF)

貴金属の金・銀・プラチナ・パラジウムのすべてがはいったWisdomTree 貴金属バスケット上場投信(1676)という商品もあります。

一つで全部買えるならよいじゃん!と思いましたが、この商品はほとんど売買されていません。流動性が低すぎる商品です。買いたい時に買えず売りたい時に売れないので(金額次第ではできるかもしれませんが、、、)、自分は全く買う気になれません。

まとめ

コモディティ投資のメリットとデメリット、貴金属の金・銀・プラチナについてまとめてみました。

自分は、コモディティ投資はリスクを抑えるために行うつもりです。そして、主に金と銀を対象にしようと思いました。金はGLDMか1326で、銀はSLVを選ぼうと考えています。プラチナは1541か購入しないかもしれません。