この記事では、Synology NASのデータをAmazon Web Service (AWS)のS3 Glacierにバックアップする方法を紹介します。
NASではRAIDを設定していても物理的な故障の危険があるので、クラウドにデータをバックアップすることが推奨されています。
この記事では有名なクラウドサービスであるAWSが提供しているS3 Glacierを利用して、Synology NASのバックアップを取得する方法を紹介します。DSMは7.1です。
自分の利用しているSynology NASはDS216jです。調べてみると、現在はDS220jまで出ているんですね。新しいの使ってみたい、、、
手順は下記になります。各手順の詳細を画像付きで説明していきます。
- AWSのアカウントを作成
- IAMでSynologyNASからアクセスするユーザとグループの作成
- Synology NASに接続して、Glacier Backupをインストール
- GlacierBackupでバックアップタスクを登録
AWSのアカウントを作成
AWSのトップページからアカウントを作成しましょう。入力フォームに必要な情報を入れていくだけで簡単に作成可能です。
カード情報などを登録する必要がありますが、登録するだけではお金はかからないので安心してください。
AWS IAMでGlacierへのアクセス権限を持ったユーザの作成
ここでは、NASからGlacierにアクセスするための適切な権限を持つユーザを作成します。
Synology NASのデータをGlacierにバックアップするときは、Synology NASからGlacierに直接データを転送します。このとき、Synology NASは、Glacierにアクセス可能なユーザーアカウントを利用する必要があります。
AWSコンソールにログインするときのルートユーザーでは過剰権限なので、Identity and Access Management (IAM)と呼ばれるサービスで最小権限をもつユーザーを作成し、作成したユーザーアカウントを使うようにSynology NASで設定を行います。
IAMでユーザを作成する手順
AWSにログインしてマネジメントコンソール画面に移動したら、左上の「サービス」から、IAMを探してクリックしてください。「セキュリティ、ID、およびコンプライアンス」というグループ内にあります。
IAMのダッシュボードから、ユーザータグをクリックし、「ユーザの追加」ボタンをクリックします。
ユーザー名(画像上ではSynologyBackup)を入力し、アクセスの種類で「アクセスキー・プログラムによるアクセス」を選択して次に進んでください。
ユーザーをグループに追加を選択し、下側のグループの作成をクリックしてください。
グループ名を入力(SynologyGlacierBackup)し、ポリシーのフィルタで、「glacier」と検索してください。検索すると、「AmazonGlacierFullAccess」と呼ばれるポリシーが見つかるので、チェックして次に進んでください。
こちらは任意なので、必要な人はタグを追加しておきましょう。
確認画面です。問題なければ次に進んでください。
アクセスキーとシークレットアクセスキーを確認します。これは後に利用します。
この画面以外では保存できないので確実に保存しましょう。保存できなかった場合は、キーの再生成を行う必要があります。
Synology NASにGlacier Backupをインストール・設定する
AWSでのユーザーの作成はできたので、次にSynology NASの設定を行っていきます。
Glacier Backupパッケージのインストール
SynologyNASのDSMにアクセスして、パッケージセンターを起動します。
検索フォームにglacierと入力すると、”Glacier Backup”というパッケージが見つかるので、それをインストールします。
このパッケージはSynologyの公式から提供されています。Glacierに簡単にバックアップできるパッケージを公開してくれているのはすごいですね。
Glacier Backupにバックアップタスクの作成
DSMにインストールしたGlacier Backupを起動して、タスクを登録します。
左メニューから「バックアップ」を選択し、操作から「作成」をクリックしましょう。
タスク名(FullBackup)を決めます。
先ほど作成したIAMユーザのアクセスキーと秘密キーを入力します。リージョンはどこでも良いですが、リージョンによって金額が異なる(参考ページ)ので、好みに応じて選択してください。
バックアップスケジュールを組む人はここで設定します。自分は毎回手動で実行しているので特に設定していません。
お疲れ様です。以上で設定は終了です。
まとめ
SynologyNASのデータをAWSのS3 Glacierにバックアップする方法を紹介しました。Glacierと他のクラウドサービスとの値段比較は他の記事にまとめようと思います。
NASには重要なデータをたくさん置くので、バックアップを取っていると安心ですよね。
NASをRAID構造にしても物理的な故障や災害の問題は残るので、クラウドにも上げておくと良いと思っています。
※金額に下記の記事にまとめました。
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